保険で白い歯はできる?
保険で白い歯はできる?
最近では健康保険でも白い歯で治療できるケースが増えてきました。
今回はそれらについて解説します。
原則として健康保険は療養に対する給付なので、審美目的では健康保険は適応できません。
健康保険適応で白い材料での修復方法は2種類に分けられます。
直接法
直接法とはその名の通り、直接材料を詰めて治療する方法です。
また、むし歯を削った穴(窩洞)に材料を詰めていくので充填と呼ぶこともあります。
直接法では主に以下の2種類の方法があります。
・コンポジットレジン充填
・セメント充填
コンポジットレジン充填とは
むし歯を除去してできた穴にコンポジットレジン(CR)を詰めて修復する方法です。
直接法での治療はCRを用いることが多く、直接法=CR充填といっても過言ではありません。
コンポジットレジンは無機質からなるフィラーとマトリックスレジンで構成されています。
セラミックの粉末(フィラー)につなぎとして樹脂(マトリックスレジン)を混ぜ、
ペースト状にしているとイメージして頂ければわかりやすいと思います。
青い光を当てると固まるように設計されており、歯科用プラスチックと表現されることもあります。
コンポジットレジンの特徴としては
長所として
成形材料(プラスチック)なので、形が自由に作れる
色が白い
そこそこ強度がある
ということがあげられます。
コンポジットレジンには強度を上げるためフィラーが混ぜられています。
重量比で約70%ほどがフィラーなので、セラミックほどではありませんがそこそこ高い強度があります。
歯の色に合わせて多くの色調のペーストが用意されています。
そのため、前歯のむし歯や奥歯の小さなむし歯の治療によく使われます。
一方で欠点として
奥歯の強い力には耐えらない
変色する
治療手順が煩雑でテクニックセンシティブ
ということがあげられます。
コンポジットレジンは強度を上げるためのフィラーとマトリックスレジンの混合材料です。
そのため、セラミックと樹脂の長所を合わせ持ちます。
純セラミックに比べ、樹脂が含まれることでしなりが生まれます。
そのため、セラミックに比べて割れにくいこともあります。
ところが、直接法でのコンポジットレジンはお口の中で重合(固める)作業を行いますが、
樹脂を完全に重合させることができず未重合レジンが残存します。
(ホットケーキでいう生焼け状態です)
この未重合部分が残存することにより強度が下がったり、変色しやすい原因となります。
そのため、直接歯と歯がかみ合う咬場所にはコンポジットレジン充填はあまり選択されません。
直接咬合力がかからない部位には適している治療方法と言えます。
セメント充填
歯科用のセメント(粉と液を混ぜて固まるもの)をむし歯を除去した穴に詰める方法です。
歯科用のセメントは用途により多くの製品がありますが、むし歯などの修復治療に使われるものはグラスアイオノマーセメントにほぼ限定されます。
長所として
接着操作が不要なので、処置が簡便
フッ素を含むのでむし歯予防効果が期待できる
ということがあげられます。
セメント自体に歯とくっつく性質がありますので、CR充填とは異なり接着操作が不要です。
(ただし、接着力は低い)
また、フッ素を含有しているのでむし歯の予防効果も期待できます。
強度が低い
接着力が低い
ということがあげられます。
そのため、乳歯の治療や応急的な治療によく用いられる治療方法です。
CR充填、セメント充填のどちらも直接お口のなかで修復作業を行います。
また、材料自体の強度の問題もあり大きな穴を埋めたり、被せ物(クラウン)を作成することはできません。
このような場合は間接法による修復を行います。