/ Perio
Specialists on staff
What is?
日本歯科保存学会とは、むし歯の治療を扱う「保存治療」、歯周病治療を扱う「歯周治療」、
歯の神経を扱う「歯内治療」の3分野を取りまとめている学会です。
この学会で所定の審査及び試験に合格し、
「歯を残す治療に長けた歯科医師」に与えられる資格が「日本歯科保存学会認定医」です。
「日本歯科保存学会専門医」はさらに研鑽を積んだ歯科医師のみに与えられるさらに上位の資格です。
日本の歯科医師は10万7千人です。
その中で日本歯科保存学会専門医を取得している歯科医師は全国でわずか748人です。
(2022年11月時点)
日本歯科保存学会専門医の資格取得の条件は、下記の通りです。
上記の条件をすべて満たして初めて日本歯科保存学会専門医の受験資格が得られます。そして、専門医試験に合格することで『日本歯科保存学会専門医』になることができるのです。
当院の歯周病治療は、日本歯科保存学会専門医の監督のもと行っています。
Progression of periodontal disease
歯周病は治療せずに放置しているとどんどん進行し、やがて歯が抜け落ちてしまう病気です。
重度歯周炎になってから慌てて治療を受けるのではなく、
進行してしまわないよう早い段階から予防しておくことがとても大切です。
/ Gingivitis
健康な状態の歯茎は、歯と歯茎の間に1~2ミリ程度のすき間(歯周ポケット)があります。歯肉炎とは、歯や歯茎の周りに汚れ(プラーク)が溜まり、歯茎が炎症を起こしている状態です。歯周ポケットは2~3ミリ程度と一次的に深くなりますが、その後の適切なケアで健康な状態へ改善できます。
/ Mild periodontitis
歯茎の炎症が進むと、歯周ポケットが3~5ミリ程度まで深くなります。歯茎が赤く腫れたり出血したりすることがあり、自覚症状がでやすい時期です。歯周病菌が歯周組織へ侵入し、歯を支えている顎の骨や歯の根っこの組織が破壊されはじめます。
/ Moderate periostitis
炎症がさらに進み歯周ポケットは4~7ミリ程度とかなり深い状態です。顎の骨は半分ほど破壊が進み、歯がぐらぐらと揺れはじめるようになります。歯茎の炎症により口臭が気になるようになるでしょう。
/ Severe periodontitis
重度歯周炎は歯周ポケットが6ミリ以上で、顎の骨が半分以上破壊された状態です。ほとんど歯茎で歯を支えているようなもので、歯が大きく揺れて食事が不便に感じるようになります。放っておくと自然に抜け落ちることもあり、注意が必要です。
Let’s do a self-check
歯周病は初期段階では自覚症状がなく、「受診したことには手遅れだった」なんてことが少なくありません。知らぬ間に進行している歯周病は、早めに予防対策を講じること・日ごろから進行しないよう丁寧なケアを行うことが大切です。
ここでは、ご自身の歯茎がどのような状態なのか、簡単にチェックできるいくつかのポイントを紹介します。
/ Check 01
歯茎が炎症を起こしているため、少しの刺激で出血することが多くなります。食事中や歯磨きの際に血が滲んでくる方は歯周病の疑いがあります。
/ Check 02
歯周病菌は、食べかすなどに含まれるタンパク質を分解する際に「メチルメルカプタン」というガスを作りだします。腐った玉ねぎのような臭いと表現されることもあり、非常に強烈な臭いを放ちます。
/ Check 03
歯周病が進行すると、歯周病菌から作り出される毒素や、炎症が起こっている歯茎から溢れる浸出液・膿などによってお口の中がネバネバになります。
/ Check 04
歯と歯の間の歯茎がぷくぷくとしていたり、膿が溜まっているような腫瘍ができると歯周病が疑われます。口内環境が悪く、口臭が伴うこともあります。
/ Check 05
健康な歯茎は薄いピンク色をしていますが、歯周病になるとやや紫色がかった赤色に変化します。歯周病になると歯茎の血流が滞り、うっ血することが原因です。
/ Check 06
歯茎の炎症が進み重度歯周炎になると、歯茎から膿が出てひどい口臭を放つようになります。家族やパートナーに口臭を指摘されて歯周病の進行が発覚するケースも少なくありません。
/ Check 07
歯槽骨(歯を支えている顎の骨)が破壊されはじめると、歯がグラグラと揺れるようになります。そうなると、硬いものが噛みにくくなり痛みを感じることがあります。
/ Check 08
歯周病が進行すると歯槽骨が破壊されますが、歯槽骨を覆っている歯茎も同じように退縮していきます。歯茎が下がると口元が痩せたような印象を与えます。
/ Check 09
歯槽骨の半分以上が破壊されると、ほとんど歯茎で歯を支えている状態になります。口を動かすだけで歯がグラグラして抜けそうな感覚を覚えることがあるでしょう。
/ Check 10
歯茎に炎症が起きていると、歯茎にむずがゆいような感覚を覚えることがあります。初期段階では無症状のことが多いですが、かゆみを覚えはじめた頃には歯周病が進行していることが考えられます。
/ Check 11
歯槽骨が破壊されて歯茎が下がることで、歯と歯の間にすき間ができて物が詰まりやすくなります。さらに、揺れている歯は食いしばりや歯ぎしりの影響を受けやすいため、歯が動いてすき間が大きくなっていく可能性も考えられるでしょう。
/ Check 12
糖尿病を患っている方は、歯周病の進行が早いという研究データがあります。一方で、歯周病になると血統コントロールが難しくなるともいわれています。
Judgment Result
あくまでのセルフチェックのため、紹介した症状が見られない場合でも歯周病にかかっている場合があります。
正確な診断をご希望される方、セルフチェックでひとつでも当てはまる項目がある方は、
当院へお気軽にご相談ください。
Two perspectives
当院では、2つの視点に基づき歯周病治療を進めています。ざっくりご説明すると
「現状を正確に診査診断する」「基本に忠実・患者さまと二人三脚で進める」という内容です。
お口の中の状態をしっかりと把握し、二人三脚で健康な状態へ近づけていきましょう。
/ Point of View 01
当院では、お口の中の現状をしっかりと把握するため、さまざまな検査を行って歯周病の進行度合いやリスクを調べます。主な検査として「CT検査」「DNA検査」「デンタル10枚法・14枚法」「精密検査6点法」「細菌検査」があります。これらの検査を必要に応じて行うことで、一般的に行われている検査よりも精密に深く検査することが可能になります。
当院では、お口の中の現状をしっかりと把握するため、さまざまな検査を行って歯周病の進行度合いやリスクを調べます。主な検査として「CT検査」「DNA検査」「デンタル10枚法・14枚法」「精密検査6点法」「細菌検査」があります。これらの検査を必要に応じて行うことで、一般的に行われている検査よりも精密に深く検査することが可能になります。
DNAの定量検査方法で、感染している歯周病菌の種類を特定します。さらに、各細菌の数を測定しこれまで一括りにされていたものを細分化します。これにより、感染している歯周病原因菌の治療に最も効果のある薬を選択できるようになります。
精度の高い診断を行うために、お口の中を10~14枚に分けて小さいレントゲン写真(デンタル)を撮影します。これにより、奥歯など歯と歯が重なって一枚のレントゲン写真では確認できない部分まで把握できるようになります。 お口全体を1枚のレントゲン写真で撮影するパノラマレントゲンは撮影は簡単ですが、デンタルレントゲンの精度には及びません。精度の高い歯周病治療にはデンタルレントゲン10枚法・14枚法の撮影が必須です。
歯周組織検査の中に、歯周ポケットの測定があります。測定方法には、1点法・4点法・6点法があり、歯の周りに専門器具を挿入しながら歯周ポケットの深さを調べます。当院では、測定方法の中でも、最も正確な診査ができる6点法を採用しています。
細菌の状態を確認できる装置を使用し、菌の活動性・種類などを確認します。細菌の感染状況を数値化して確認することで、歯周病リスク低下につなげています。場合によってはご自身の口腔内から採取した細菌を確認していただくことがあり、リスク管理のモチベーション維持に役立てています。
/ Point of View 02
歯周病菌は「常在菌」として、常にお口の中に存在しています。免疫力の低下や生活習慣によって細菌のバランスが乱れると、歯周病菌が優位となり歯周病が進行してしまいます。つまり、歯周病は「治す」ことよりも「コントロール」するという認識を持つことが大切です。
歯周病治療の基本的な流れは、下記の通りです。
この歯周病治療の流れは科学的根拠に基づいており、上記の流れに沿って治療を受けることで歯周病をコントロールできます。
しかし、歯周病治療を受けているのに「一向に状態が良くならない」と感じている方で溢れています。理由は明確で、治療工程②にある「ブラッシング(歯磨き)、プラークコントロール」が十分に行われないケースが多いからです。
歯周病は、歯科医院での治療やメンテナンスを受けるだけでは改善が難しい病気です。ご自宅で行う「ブラッシング」や「生活習慣の改善・免疫力の向上」も歯周病治療の一環として捉え、自宅での「口腔ケア」をしっかりと行っていただくことで治療がスムーズに進みます。
当院では、歯周病を発症している患者さまが、歯科医院での治療を受けながらも自宅での口腔ケアをきちんと行えないのは、歯科医院側が口腔ケアの重要性を伝えきれていないためだと考えています。
歯科医院の役割は、来院された患者さまへ歯周病治療を行うだけではありません。「歯周病が改善されないのは患者さんが指示を守らないからだ」というのは、歯科医院の言い訳に過ぎず、お口の中の状態や治療の根拠、ホームケアの重要性、そしてわたしたちの「治したいという想い」まで一緒にしっかりと伝え、患者さまの気持ちを動かすことが我々の仕事だと考えています。
歯周病は「コントロールできる病気」です。なかなか改善しないとお悩みの方、何度も再治療を行っている方は、当院へお気軽にご相談ください。担当の歯科衛生士が、患者さま一人ひとりのライフスタイルに合った最適なコントロール方法をお伝えいたします。
Notice
歯周病が進行すると、歯肉の腫れ・出血だけでなく、歯を支えている骨が破壊され歯がグラグラと揺れるようになります。
歯肉の腫れや出血などは治療を受けることで改善に向かいますが、
歯の揺れを改善させるためには歯周外科処置や状況により抜歯が必要となります。
特に保存できない歯を無理やり残すことは百害あって一利もありません。
保存困難な歯を残すことで、周囲の歯に悪影響を及ぼすことがあるからです。
歯を残すことができない場合はそれをごまかさずに誠実にそれを患者様に伝えること、それも歯科医師の使命であります。
Dental Exam
お口の中には歯周病以外にも、さまざまな口内トラブルのリスクが潜んでいます。
歯科ドックでは、虫歯・歯並び・噛み合わせ・口臭・細菌の種類や量までを調べることで、
お口の健康状態や将来的な虫歯・歯周病リスクが分かります。
当院では、それぞれの検査結果を基にオリジナルの治療・予防プログラムを作成し、
口内トラブルの回避に努めています。
/ Check 01
3Dデジタル印象 口腔内カラー写真 および近赤外線画像(NIRI)を同時に記録できるハイブリッドな性能をもちタイム・ラプスを利用して時間経過の変化を比較する事ができます。
/ Check 02
専用の機械でお口の中をスキャンし、3Dデータとしてモニターで確認できる「iTero Element」を導入しています。従来のシリコン印象を使用した型取りでは、嘔吐反射が出るなど苦しい思いをする方がいましたが、iTeroではそのような心配は要りません。短い時間でお口全体の情報を取り込み、正確な歯並び診断が可能になります。
Precautions
歯周病は自然と軽快する病気ではありません。何事もそうですが、最初の判断を誤ってしまうと、
治療期間が無駄に延びてしまったり、良くなるものもよくならなかったりすることがあります。
また、歯周病菌やその菌が生成する毒素などが歯茎の血管を通し、全身のあらゆる組織へ送られると
全身へ悪影響を及ぼしてしまいます。
中でも、心臓病や糖尿病、低体重児出産などを引き起こすリスクが高まるといわれています。
自己判断で様子を見てしまうと、受診したころには手遅れであるケースも少なくありません。
口内トラブルで気になることや不安なことがあれば、どんな小さなことでもお気軽に当院へご相談ください。