セラミック矯正の功罪:メリットとデメリット、おすすめする人・しない人
セラミック矯正の功罪:メリットとデメリット、おすすめする人・しない人
セラミック矯正は、短期間で美しい歯並びを手に入れられる治療法として注目されています。しかし、その一方で健康な歯を削る必要があるなど、大きなデメリットも存在します。
この記事では、セラミック矯正の**「功(メリット)」と「罪(デメリット)」**を詳しく解説し、この治療が向いている人・向いていない人についても考えていきます。
1. セラミック矯正とは?
セラミック矯正とは、歯を削ってセラミック製の被せ物(クラウン)を装着し、歯並びを整える治療法です。従来の矯正治療(ワイヤー矯正・マウスピース矯正)とは異なり、歯を動かさずに**「削って整える」**方法のため、短期間で仕上がるのが特徴です。
🔹 セラミック矯正の主な流れ
- 歯の形を整えるために削る
- 仮歯を装着して調整
- 最終的なセラミッククラウンを被せる
このように、**「歯を削る」→「セラミッククラウンを装着」**というシンプルなプロセスで、見た目の美しい歯並びを作ります。
2. セラミック矯正の功(メリット)
① 短期間で歯並びを整えられる
セラミック矯正の最大のメリットは、治療期間が短いことです。
通常の矯正治療(ワイヤー矯正やマウスピース矯正)は1~3年の期間を要しますが、セラミック矯正は最短1~2ヶ月で完了します。
「すぐにでも歯並びをキレイにしたい!」という人には、大きな魅力となるでしょう。
② 理想の形・色に調整できる
セラミッククラウンを使用するため、歯の形や色を自由にデザインできます。
例えば…
✅ 歯の形を均一にしたい
✅ 前歯の大きさを整えたい
✅ 歯の色を自然な白さにしたい
このような希望を一度の治療で叶えることが可能です。
③ ワイヤー矯正のような装置が不要
従来の矯正治療では、ワイヤーやマウスピースを装着しなければなりませんが、セラミック矯正ならそうした装置は不要です。そのため、見た目を気にせず治療を進めることができます。
3. セラミック矯正の罪(デメリット)
① 健康な歯を大きく削る必要がある
セラミック矯正の最大のデメリットは、健康な歯を削らなければならないことです。
一般的に、クラウンを被せるためには歯の60%以上を削る必要があり、神経を取る場合もあります。
🔹 歯を削ることのリスク
- 歯の寿命が短くなる(削った歯はもろくなる)
- 神経を抜いた歯は脆くなりやすい
- 被せ物の隙間に汚れが溜まり、虫歯リスクが増加
特に若いうちにセラミック矯正をすると、40代以降に歯の寿命が尽きる可能性があるため、慎重な判断が必要です。
② セラミッククラウンの寿命は約10~15年
セラミッククラウンは一生モノではありません。平均寿命は10~15年とされており、定期的な交換が必要になります。
🔹 セラミッククラウンの問題点
- 欠けたり割れたりすることがある
- 歯茎が下がると境目が目立つ
- 再治療のたびに歯がさらに削られる
そのため、一度セラミック矯正を行うと、「一生涯のメンテナンス」が必要になる点も考慮しなければなりません。
③ 歯の根が割れるリスク
セラミック矯正で削った歯は、歯の根に負担がかかりやすいため、**歯根破折(歯の根が割れる現象)**のリスクが高まります。
歯根が割れると、抜歯が避けられなくなるため、将来的にインプラントやブリッジが必要になるケースも少なくありません。
4. セラミック矯正をおすすめする人・しない人
✅ セラミック矯正をおすすめする人
✅ とにかく短期間で歯並びを整えたい
✅ 前歯の形や大きさを理想通りにしたい
✅ ホワイトニングでは満足できない歯の色を変えたい
✅ 過去にすでに神経を抜いた歯があり、被せ物が必要な場合
👉 特に、すでに歯を削っている人は、矯正よりもセラミック矯正が向いていることもあります。
❌ セラミック矯正をおすすめしない人
❌ 健康な歯をできるだけ削りたくない
❌ 長く自分の歯を使いたい
❌ 虫歯や歯周病のリスクを減らしたい
❌ 一生メンテナンスを続けたくない
👉 こうした人には、マウスピース矯正(インビザラインなど)やワイヤー矯正が向いています。
5. まとめ|セラミック矯正は短期的なメリット vs 長期的なリスク
セラミック矯正は、短期間で理想の歯並びと歯の白さを手に入れられる方法ですが、長期的には歯の健康を損なうリスクが高い治療法です。
健康な歯を削ることで、歯の寿命が短くなり、将来的に抜歯のリスクが高まるため、慎重に選択する必要があります。
💡 結論:長期的に歯を守るなら、他の矯正方法を選ぶのがベスト
- 健康な歯を守りたい → マウスピース矯正・ワイヤー矯正
- すでに削られている歯をキレイに整えたい → セラミック矯正も選択肢に
矯正治療を考えている方は、歯科医としっかり相談し、**「本当に自分に合った治療法」**を選ぶことが大切です!