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歯科クラウンの耐用年数| メタルクラウン・ジルコニアクラウン・CAD/CAM冠の寿命をエビデンスベースで解説!

歯科クラウンの耐用年数|

メタルクラウン・ジルコニアクラウン・CAD/CAM冠の寿命をエビデンスベースで解説!

 

 

 

歯の被せ物(クラウン)は、**どれくらいの期間もつのか?**と気になる方も多いでしょう。

クラウンの耐久性は、素材の特性・噛む力・ケアの仕方などによって異なりますが、科学的な研究データをもとに、それぞれの耐用年数を比較すると、メタルクラウン・ジルコニアクラウン・CAD/CAM冠には明確な違いがあることが分かります。

本記事では、各クラウンの寿命・耐久性・どのように長持ちさせるかについて、エビデンスベースで詳しく解説します。


1. クラウンの寿命はどれくらい?研究データから分析!

 

歯科クラウンの耐用年数は、一般的に5〜15年と言われていますが、素材や使用環境によって大きく異なることが研究により明らかになっています。

📌 クラウンの耐用年数に関する主な研究

  • 「Journal of Prosthetic Dentistry(補綴歯科学)」
    • メタルクラウン(貴金属合金)平均10〜15年
    • メタルセラミッククラウン(PFM)約10〜15年
    • ジルコニアクラウン約15〜20年
    • CAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)約5〜10年

特にジルコニアクラウンは、近年の技術進歩により、20年以上の長期間持つ可能性もあることが報告されています。(Glauser et al., 2004)

それでは、各クラウンの耐用年数や特徴を詳しく見ていきましょう。


2. メタルクラウン(銀歯)の耐用年数

 

📌 メタルクラウンとは?

**メタルクラウン(銀歯)**は、金属(銀合金、金合金、パラジウム合金など)で作られた被せ物で、強度が高く、奥歯の治療に使用されることが多いです。

📊 耐用年数

  • 平均寿命:10〜15年
  • 臨床成功率(10年後):90%
  • 臨床成功率(15年後):75〜80%(Goodacre et al., 2003)

 

✅ メタルクラウンのメリット

強度が高く、咬合力が強い奥歯に適している
金属アレルギーがなければ耐久性が高い
長年の臨床実績があり、実績が豊富

⚠️ メタルクラウンのデメリット

見た目が銀色で目立つ
経年劣化で金属が溶け出し、歯茎が黒ずむことがある(ブラックマージン)
金属アレルギーのリスクがある


3. ジルコニアクラウンの耐用年数

 

📌 ジルコニアクラウンとは?

 

ジルコニアクラウンは、ジルコニア(酸化ジルコニウム)という人工ダイヤモンドの一種を使用したセラミッククラウンで、審美性と強度を兼ね備えています。

📊 耐用年数

  • 平均寿命:15〜20年
  • 臨床成功率(10年後):95%
  • 臨床成功率(15年後):85〜90%(Pjetursson et al., 2018)

近年の研究では、**「ジルコニアクラウンの寿命は20年以上持つ可能性がある」**と報告されており、特に強度が求められる奥歯に適しています。

✅ ジルコニアクラウンのメリット

 

審美性が高く、天然歯に近い白さを再現できる
金属アレルギーの心配がない(メタルフリー)
摩耗や変色がほとんどなく、長持ちする
強度が高く、奥歯にも適用できる

⚠️ ジルコニアクラウンのデメリット

 

強度が高すぎて、周囲の歯を傷つけることがある
接着力が弱い場合、脱落リスクがある(適切な接着材の選択が必要)
カスタマイズが難しく、審美性の調整が技工士の技術に依存する


4. CAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)の耐用年数

 

📌 CAD/CAM冠とは?

CAD/CAM冠は、コンピューター制御で作成されたハイブリッドセラミックのクラウンで、保険適用される点が大きな特徴です。

📊 耐用年数

  • 平均寿命:5〜10年
  • 臨床成功率(5年後):80〜85%
  • 臨床成功率(10年後):65〜75%(Miura et al., 2019)

CAD/CAM冠は、ジルコニアやメタルクラウンと比較すると耐久性がやや劣りますが、保険適用でリーズナブルに白い歯を選べるというメリットがあります。

✅ CAD/CAM冠のメリット

保険適用で比較的安価
見た目が白く、自然な仕上がり
金属アレルギーのリスクがない

⚠️ CAD/CAM冠のデメリット

耐久性が低く、強い噛み合わせには向かない
長期間使用すると摩耗しやすい
奥歯には不向き(割れるリスクがある)


5. クラウンを長持ちさせるためのポイント

 

📌 クラウンを長持ちさせるために重要なこと

定期的な歯科検診を受ける(3〜6ヶ月ごと)
正しいブラッシングとデンタルフロスを使う
ナイトガードを使用し、歯ぎしりを防ぐ
硬い食べ物を避ける(氷や硬い飴を噛まない)
適切なクラウンを選ぶ(奥歯にはジルコニア、審美性重視ならセラミック)


6. まとめ|耐久性で選ぶならどれがいい?

 

 

クラウンの種類 耐用年数 審美性 強度 保険適用
メタルクラウン 10〜15年 ×(銀色で目立つ) ◎(耐久性抜群) 〇(保険適用)
ジルコニアクラウン 15〜20年 ◎(自然な白さ) ◎(非常に強い) ×(自費診療)
CAD/CAM冠 5〜10年 〇(白くて自然) △(強度はやや低い) 〇(保険適用)

耐久性を重視するなら、ジルコニアクラウンが最も長持ちし、審美性も高い選択肢となります。
保険適用でコストを抑えたい場合は、CAD/CAM冠やメタルクラウンが有力な選択肢となるでしょう。

最適なクラウンを選ぶために、歯科医師と相談しながら決めましょう!

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