むし歯になりにくい素材?
むし歯になりにくい素材?
修復物の素材で歯の寿命が変わるって本当?

「同じ“むし歯治療”なのに、数年後にまたむし歯になってしまった…」
そんな経験がある方は多いのではないでしょうか。
実は、むし歯を治した後に使用する詰め物・被せ物の“素材”によって、再度むし歯になるリスクは大きく変わります。
ここでは、よく使われる
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コンポジットレジン(白い詰め物)
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金属(銀歯)
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ジルコニア(自費の白い被せ物)
この3つを中心に、素材ごとの特徴と再発リスクの違いをわかりやすく紹介します。
「歯の寿命を伸ばせる治療を選びたい」
そんな方は、ぜひ参考にしてください。
■ どうして“治療した歯”はむし歯が再発するの?
むし歯治療そのものが失敗したわけではありません。
再発の多くは、
詰め物と歯の境目に汚れ(プラーク/細菌)が付着することによって起こります。
治療した歯は、健康な歯よりも
・歯質が薄い
・密閉性が低い
という理由で、再びむし歯になりやすい状態。
だからこそ、
プラークが付着しにくい素材を選ぶことが、歯を長持ちさせる鍵になります。
■ 素材による「プラークの付着しやすさ」の違い
歯科材料の表面は、それぞれざらつきに違いがあります。
表面がざらつくほど、細菌は付着しやすくなります。
| 素材 | プラーク付着 | むし歯再発リスク | 特徴 |
|---|---|---|---|
| コンポジットレジン(CR) | 多い | やや高い | 経年で劣化・変色しやすい |
| 金属(銀歯) | 多い | 高い | 歯ぐきの黒ずみや金属アレルギーの可能性 |
| ジルコニア | 非常に少ない | 低い | 強度が高く、プラークがつきにくい |
では素材ごとに詳しく見てみましょう。
■ コンポジットレジン(CR)
手軽だけど、再発しやすい一面も
保険治療でよく使われる白い詰め物。
小さなむし歯に適しています。
ただし、
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時間がたつと摩耗して隙間ができる
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樹脂なので表面がザラつきやすい
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歯垢が付きやすく再むし歯の原因になりやすい
つまり、簡易的な治療としては良いけれど、長期的な耐久性は弱い素材です。
■ 金属(銀歯)
保険でできるが、再発や歯周病のリスクは高め
金属は硬いので強度はあります。
しかし、問題は適合性とプラークの付着性の高さ。
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歯と銀歯の間にわずかな隙間ができやすい
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表面がざらつきやすく細菌が付着しやすい
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経年で歯ぐきが黒ずれたりすることも
その結果、
**2次う蝕(治療した部分が再度むし歯になること)**のリスクが高まります。
「治したはずの歯がまたむし歯に…」
というケースの多くは、このタイプです。
■ ジルコニア
むし歯再発リスクが低く、歯の寿命を延ばせる素材
ジルコニアは、セラミックの中でも特に強度が高く、そして汚れが付きにくい素材です。
特徴は以下のとおり。
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表面が非常にツルツル → 細菌が付着しにくい
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経年劣化がほとんどない → 長持ち
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変色しない → ずっと白い
つまり、口の中を清潔に保ちやすく、むし歯や歯周病になりにくい素材なんです。
歯をできるだけ長く守りたい方には、
最も歯の寿命を延ばせる選択肢といえます。
■ 歯を守りたい人が選ぶべき治療とは?
もしあなたが
「もうむし歯治療を繰り返したくない」
「できるだけ長く自分の歯を残したい」
と考えるなら、素材選びはとても大切です。
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費用を抑えたい → コンポジットレジン
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とにかく目先の強度が必要 → 金属
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歯を長く守りたい・再発したくない → ジルコニア
この違いを知っておくだけで、
将来の歯の状態が大きく変わります。
■ まとめ
✅ むし歯治療後に再発するかどうかは 素材選び次第
✅ コンポジットレジンと金属は プラークが付きやすく再発リスクが高い
✅ ジルコニアは 強度が高くプラークが付きにくいため、歯の寿命を延ばしやすい
歯は“治療して終わり”ではありません。
「どんな素材で治すか」が、その後の10年、20年の口元を左右します。
「これからの歯の健康に投資する」という視点で、
ぜひ素材選びを検討してみてください。












