オステルビーコンを導入した理由
オステルビーコンを導入しました
オステルISQ値とは?
オステルビーコンとはスウェーデンのオステルAB社が開発したインプラントの安定性を測定する装置です。
インプラントが骨とどれだけ結合しているかを示す値ISQ(インプラント安定指数)を非接触で測定することができます。
オステル値の測定方法
埋入したインプラント体にスマートペグという専用のネジをはめ込みます。
そのペグに測定器を近づけ、磁気パルスの共振を測定し数値化することでISQ値を測定します。
ISQ値を測定することでこれまでは術者の経験と勘で判断していたインプラントの安定性を客観的に判断することができます。
ISQ値は1~100で示され、60までが安定性が低く、61~70までが中程度の安置性、71以上が高い安定性があるとされています。
なぜISQ値を測定するのか?
インプラントを顎骨に埋め込むと骨の治癒とともにインプラントと骨が結合していきます。
これをオッセオインテグレーションと言います。
オッセオインテグレーションにどれだの期間が必要になるのかは使用するインプラントや骨の質により異なります。
当院で主に使用しているストローマンインプラントではSLA®という表面に特殊な処理を行っています。このSLA®処理を行っているタイプでオッセオインテグレーションの獲得に約3~4か月と言われています。
さらに同じくストローマンインプラントのSLActive®タイプのインプラントでは1~2か月でオッセオインテグレーションを獲得できると言われています。
ストローマン社のインプラントはオッセオインテグレーションがしやすいインプラントとされており、他のメーカーについても3~4か月ほどでオッセオインテグレーションが獲得できると考えられます。
ところが、骨の質が悪い場合、骨を増やす手術(GBR・ソケットリフト・サイナスリフトなど)や抜歯即時埋入(歯を抜くと同時にインプラントを埋入)した場合は状況が異なります。
骨の状態が正常でない場合はオッセオインテグレーションの獲得に時間がかかります。
そのため通常よりも長い期間オッセオインテグレーションを獲得するための期間を設ける齲必要があります。
では、どれだけ長く待てばよいのか?
これは術者の経験や勘に頼ることになります。
オッセオインテグレーションの獲得が十分にできていない時に上部構造を装着するとインプラントの早期脱落の原因になる可能性があります。
逆に待機期間を長くとりすぎるとオッセオインテグレーションを獲得しているのにもかからず上部構造の装着が遅れてしまいます。
ISQ値を測定することで適切なタイミングでインプラントの上部構造を装着することが可能になります。
オステルビーコンにした理由とは?
ISQ値を測定する機械は数種類販売されております。
当院ではコードレスタイプのオステルビーコンを導入しました。
ISQ値はインプラント埋入時の手術時にも測定することがあります。インプラントの手術には様々な器具や機器を使用します。
また。滅菌も徹底して行います。その際にコードのあるタイプで取り回しが悪くなります。
そのため当院ではコードレスタイプのオステルビーコンを導入しました。
オステルビーコンを導入することでこれまで以上に安全なインプラント治療を行うことができます。