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IPRの安全性について

IPRの安全性について

 

 

 

インビザラインに代表されるマウスピースによる矯正治療は、ワイヤーによる従来矯正治療と異なり、

見た目に影響を与えず自然な笑顔を保つことができるため近年特に注目を集めています。

 

しかし、マウスピース矯正の治療過程で行われることがある「IPR(Interproximal Reduction)」、つまり歯と歯の間を削りスペースを確保する処置に対し、歯に対する安全性を懸念する声もあります。

 

そこで、今回はその安全性について、科学的な視点から解説したいと思います。

 

IPRとは、歯の間を薄く削ることで歯列を整える治療法です。適切な手順で行われるIPRは、歯に対して安全であるとされています。
IPRに有効性と、どれだけ歯を削ることが許されるのか、またその限界はどこまでなのか?といった疑問がしばしば持ち上がります。

 

文献を検索してみると、2011年にJournal of Orthodonticsに掲載された研究「Interproximal enamel reduction as part of orthodontic treatment」は、IPRに関する重要な知見を示しています。

 

この研究では、IPRが適切に行われると、歯の健康を損なうことなく、歯列矯正に対して有効であることを報告しています。
一般的には歯のエナメル質の厚さが約0.5mmから0.7mmであることから、IPRの量は0.5mm未満の削磨が推奨されています。

 

また、2015年のAmerican Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedicsに掲載された「Long-term periodontal status after orthodontic treatment in patients with aggressive periodontitis: A prospective clinical trial」では、IPRを受けた患者の長期的な歯周病リスクについて研究されました。

 

その結果、適切に管理されたIPRは、長期的な歯周病リスクを増加させないことを報告しています。

 

これらの研究から、IPRは歯に対して安全な治療法であると結論付けることができます。しかし、その安全性は適切な手順と管理によって確保されるため、専門的な知識と技術を持つ矯正歯科医による施術が必要です。

 

インビザラインやその他のマウスピース矯正を行う上でIPRを併用することでより効果的に歯列矯正を行うことができます。
マウスピース矯正にはこのIPRという手法がしばしば用いられますが、正しくIPRを行えば歯に対する安全性は確保されるということが、科学的な研究により明らかにされています。

 

しかし、IPRの適切な施術というのは、歯科医の経験と技術に大きく依存します。
そのため、インビザラインによる矯正治療を考えている方は、信頼できる歯科医師を選ぶことが重要となります。
その際には、歯科医師がIPRを適切に施す技術を持っていること、そして適切なアフターケアを提供できるかどうかを確認することをお勧めします。

 

また、矯正治療期間中は、定期的な診察と調整が必要となります。これは、治療中の歯の動きをチェックし、必要に応じてIPRの適用や調整を行うためです。
これにより、治療の進行状況に応じた最適な治療を提供し、より良い結果に導いていきます。

 

矯正期間中にむし歯や歯周病にならないようにケアが必要です。

 

ご自身での日々ケアと定期的歯科医院でのケアを行っていきましょう。

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