なぜ、インビザラインGO?
インビザラインGOを第1選択のシステムとした理由
現在、多くのマウスピース矯正システムが存在することを前回と前々回の記事で触れました。
今回の記事ではなぜ当院がインビザラインGOを第1選択にしているかを報告したいと思います。
今までの記事でマウスピース矯正は型取りが1回で済むワンインプレッション型と、
複数回の型取りを行うマルチインプレッション型のシステムに分けられることを報告しました。
(注 正式な分類ではありません。わかりやすく説明するために私が便宜的に分類したものです。)
当院では見た目を良くする審美歯科治療に力を入れております。
そのため、
①矯正期間が短く
②シンプルな術式
③確実に歯が動く
マウスピース矯正システムを用いる必要があります。
特に矯正期間を短くするためにはワンインプレッション型のシステムが最適です。
また、確実に歯を動かすためにはマウスピースが歯にフィットしなければなりません。さらに、歯を効率よく動かすため、歯に適切な力を加えるアタッチメントの存在が必要です。
それらを踏まえ、当院で治療可能なマウスピース矯正システムは
・インビザライン
・インビザラインGO
・クリアコレクト
の3種類になります。
インビザライン
インビザラインは世界で最も症例数が多く、信頼性の高いシステムです。
ただし、前歯だけでなく奥歯の歯並びも動かすシステムなので矯正期間が長くなります。
また、ワンインプレッション型のマウスピース矯正システムは、スタートからゴールまでのマウスピースを一度に作成します。
そのため、矯正期間中のむし歯の治療が困難になることもあります。
インビザラインは手軽に矯正をするシステムというよりは、奥歯を含めた歯並び全体を治療する矯正システムで、矯正治療に詳しい歯科医師が用いるべきシステムとも言えます。
ちょっとだけ歯並びを治したいという方の矯正治療をするにはやや大げさな治療方法とも言えます。
インビザラインGO
インビザラインGOは2018年から日本でも使用可能になったインビザラインの一つです。
インビザラインGOはインビザラインシステムはそのままに、大臼歯は動かさす前歯(小臼歯も含む)のみに特化しているマウスピース矯正システムです。
噛み合わせの基準となる奥歯を動かさないので、矯正期間が短くなります。
また噛み合わせの高さを変えないのでトラブルも生じにくいシステムと言えます。
そのため、前歯の見た目だけを改善したい場合にはとても有効なシステムです。
ただし、小臼歯(前から5本まで)までしか動かせないため適応できる症例には限界があります。
また、作成できるマウスピースも20ステージまでとなっていますので、中から重度の叢生(歯のガタガタ)には不向きです。また、歯を抜かないといけないようなケースには対応できません。
マウスピース矯正の装着期間は1ステージ1~2週間なので、インビザラインGOの矯正期間は最長でも40週間(10か月)となり、
非常に短い期間で矯正治療を終えることができます。
クリアコレクト
クリアコレクトはインビザラインと良く似たシステムとなっております。
インプラントではTOPシェアのストローマン社が提供しているサービスであり、信頼できるメーカーです。
インビザラインとクリアコレクト
インビザライン系(インビザラインGOを含む)とクリアコレクトの違いはiTeroによる術前の簡易シュミレーションができるかできないかにあります。
インビザライン系ではiTeroという光学スキャナーで歯の形をスキャンするとその場ですぐに矯正後の歯並びをシミレーションすることができます。
このシミレーションはインビザライン社に蓄積された700万以上の症例を元にAIが行います。
あくまでも簡易のシミレーションではありますが、このシミレーションを元に治療計画を相談することができます。
iTeroとは
iTeroは歯科用の光学式の口腔内スキャナーです。従来の型取りとは異なり、写真を撮影するように歯の形を読み取ります。スキャンするとその場ですぐに矯正後の簡易シミレーションができます。また、データーをアメリカのインビザライン社に直接送ることができるので、マウスピース矯正をすぐに始めることができます。
インビザラインGOにした理由
ちょっとだけ歯並びを治したい。
前歯のここだけを治したい。
でも、
ワイヤーを付けてまで矯正はしたくない
奥歯までの本格的な矯正までは必要ない
という患者様のご希望をよく聞きます。
噛み合わせが安定していて、軽度の叢生(歯のガタガタ)であれば矯正期間が短く、費用をなるべく抑えたシステムが望ましいです。
また、矯正治療前に実際にどのような歯並びになるのかがある程度わかれば適切な矯正方法を選択することができます。
以上のことを踏まえ、当院ではiTeroを導入してインビザラインGOを中心にマウスピース矯正をお勧めしています。
術前シミレーションをすることでインビザラインGOでは困難なケースであれば、当院の矯正医でインビザラインでマウスピース矯正治療や、従来のワイヤー矯正も可能です。
どのシステムや治療方法にも一長一短ありますので、しっかりと検討してご自身にあった治療方法を選択していきましょう。